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リンパ浮腫とは
◎症状
- 手足などにリンパ液がたまってむくむ
- 皮膚が象の皮のように硬くなる
- 体がだるい、疲れやすい
- 重症になると歩けなくなることも
◎原因
- 乳がんや子宮がんの手術、放射線治療
- 生まれつきリンパの流れが悪くて起きることも
◎一般的な治療法は…
- リンパ液を押し出すマッサージ
- 弾性包帯、医療用スリーブやストッキングなどの着用
- …などの保存的治療
リンパ細静脈吻合手術
■手術法
むくんだ部分のリンパ管を静脈につなげ、リンパ液の流れを良くする
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○メリット
- 局所麻酔で済む(東京大など)
- ?傷口がほとんど目立たない
- 身体への負担が比較的少ない
- 保険が適応される
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×デメリット
- すべての人に効果が出るとは限らない
- 手術後も医療用のスリーブ、ストッキングなどの着用が欠かせない
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リンパ液の流れが滞り、手や足などにたまってむくむリンパ浮腫。乳がんや子宮がんの手術、放射線治療でリンパ管が傷つき、後遺症として起きることが多いが、生まれつきリンパ液の流れが悪い人もいる。
むくみは、外見も不自然で、重くなると歩けなくなったり、皮膚が象の皮のように硬くなったりする場合がある。そのほか、体がだるい、疲れやすいなどの症状も現れる。
治療は、マッサージや弾性包帯、医療用スリーブやストッキングなどの着用で、むくんだ部分を圧迫しリンパ液を押し出して、症状を緩和するのが一般的だ。
一方、光嶋さんたちが取り組む「顕微鏡下リンパ管細静脈吻合術」は、リンパ管を静脈につないで、リンパ液の流れを回復させる。ひじやひざ、手首、くるぶしの内側などを2〜3センチ切開し、直径0・2〜0・3ミリのリンパ管を顕微鏡でのぞきながら、0・05ミリの糸で静脈に縫いつけるという細かい手術だ。
局所麻酔で傷口もほとんど目立たず、体への負担も比較的少ない。保険も適用されている治療だが、問題はすべての人に効果が出るとは限らないことだ。
光嶋さんによると、これまでに足のリンパ浮腫で手術をした129人のうち、効果が表れやすい発症間もない患者35人では、31人が太もも、ひざ、ふくらはぎ、足首、足の甲のいずれかの周囲の長さが手術後、細くなったという。残る4人は変わらないか、かえって悪くなった。
A子さんのむくみは完全に取れたわけではないが、「以前のつらさを考えれば、かなり楽になりました。この状態を維持できれば」と言う。手術の効果を上げるためには、医療用のストッキングなどが欠かせず、きちんと着用している。
リンパ浮腫は、手や足に出ることが多いが、男女問わず陰部が大きく腫れ上がることもある。光嶋さんは「圧迫による治療が難しい陰部のリンパ浮腫は、特に手術で効果が期待できる」と話す。
表に、この治療を行う主な医療機関を挙げた。光嶋さんたちのような局所麻酔ではなく、全身麻酔で実施する医療機関も多く、手術法も細かい点では施設によって異なる。例えば、北大では、1本ずつではなく、数本のリンパ管を集めて血管の中に移植している。各医療機関で確かめてほしい。
最近、特殊な装置を使えば、リンパ管の流れを拡大してビデオで直接確かめることができるようになった。「どのリンパ管をつないだ場合に効果的かがわかり、さらに治療成績が向上する可能性がある」と光嶋さん。
リンパ浮腫は約12万人もの患者がいると推定される。完全に治す方法は確立されておらず、症状を改善するための治療が模索されているのが現状で、この方法も、そのひとつだ。

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リンパ浮腫の手術を行っている主な医療機関
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北海道大(札幌市)(電)011・716・1161
東北大(仙台市)(電)022・717・7000
慶応大(東京都新宿区)(電)03・3353・1211
杏林大(東京都三鷹市)(電)0422・47・5511
横浜市立大(横浜市)(電)045・787・2800
岡山大(岡山市)(電)086・223・7151
川崎医大(岡山県倉敷市)(電)086・462・1111
高知大整形外科(高知県南国市)(電)088・866・5811
長崎大(長崎市)(電)095・849・7200
※高知大以外は形成外科が担当します。
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